IEAのグラフからいくつかの点が見て取れる

 国際エネルギー機関IEAのOil Market Report2016年5月号のグラフからいくつかの点が見て取れる。

 最初のグラフは今年末までの世界の原油需給を予想したものであるが、緑色の線の供給は少し伸びが止まる一方で、需要が増加してきて、年末には供給過剰は日量30万バレルになると、比較的強気の見通しを立てている。
 
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 次のグラフは、世界の原油需要の伸びを示したものである。もともと原油需要の伸びは先進国ではほとんどない。グラフの黄色い棒線は日本の需要の伸びを表しているが、毎年マイナスであることがわかり、その大きさは徐々に増加している。つまり、日本の原油需要はマイナス成長であることがわかる。

 一方、原油需要の伸びが大きいのは新興諸国であるが、このグラフで顕著なのは、明るい茶色の中国の需要が急減していることだ。もう一つ気がつくことは、インドの需要が増大していることである。いずれもモータリゼーション、つまりガソリン需要がけん引しているが、インドの自動車販売は伸びるが、中国では自動車在庫が多すぎて、車を作り過ぎているという実態を反映したものと思われる。
 
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 三つ目のグラフは、イランの原油輸出の状況を示したものであるが、今年の第1四半期に急増していることが分かる。

 その内訳を見てみると、これまでイランの核開発に対する経済封鎖で全くイランから原油を輸入していなかった欧州が原油輸入を再開して急増していることがわかる。日本も増えているが、韓国とともに、経済封鎖中でも欧米の容認を受けて、イランからの原油輸入はそれ程絞っていなかった。

 次にインドであるが、経済封鎖中よりは少し増えている。しかし、中国の増加幅ほどには増えていない。これはサウジアラビアとイラクが、イランに対抗して既存のシェアを守ろうとしているが、中国ではイランに競争で敗れつつあり、インドでは防戦に成功していることを示している。

 販売前線では熾烈なシェア獲得競争が行われており、こうした動きが6月2日のOPEC総会でもサウジアラビアは強硬な姿勢を示すのではないかという根拠となっている。
 
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