ゴム市場の環境と、安値がどこかを分析

 東京ゴムは連休明け以降下げ足を速め、先週20日には先限がキロ当たり160円台をも割り込み、158円10銭まで値崩れした。2月12日の安値144円50銭から4月27日の高値205円10銭までの上げ幅が約60円。それが1ヵ月も経過しないうちに47円も下げたのだから、実に上げ幅の4分の3以上を短期的に失ったことになる。

 一方の上海ゴム(9月限)も大きく値を下げ、先週20日にはトン当たり1万0,755元と、4月21日の高値1万3,670元から2,915元の下げ幅を記録した。これを国内換算するとトン当たり4万9,030円安、キロ換算で49円03銭安となり、東京ゴムの下げ幅47円を上回っている。

 下げの原因は本欄で何度も指摘してきたのであえて述べないが、ここまで水準を下げたのは、東京市場が仕手戦の後遺症、上海市場が規制強化だけではなく、5月13日現在31万4,000トン弱に膨れ上がった在庫の重圧で相場が崩れたといって過言ではない。

 上海5月限の納会は1万0,830元、受け渡しは1万2,590枚、トン数に換算すると実に12万5,900トンとなり、上海在庫の約40%を占めた。上海ゴムも4月21日に1万3,670元まで高騰したが、この高値が荷を呼んだことは間違いない。時期的にも3月から11月は中国国内の天然ゴム生産期にあり、これも在庫を積み増す一因になったことは確かだ。

 しかも、5月限納会で大量に現物を受けた向きが、9月限にそっくり売りヘッジしたといわれる。これはその現物還流を意味し、6月限、7月限、8月限が順次納会するうちに9月限もサヤ滑りする恐れがあり、9月限の1万元割れも時間の問題といえそうだ。

 これに対して、東京市場も東商取の生ゴム指定倉庫在庫が増加へと転じ、4月末には8,258トンとなった。今後も新規入着が見込まれ、1万トン台に乗せるのは時間の問題だ。

 4月限納会で大量に現受けした中国筋は供用期限切れ現物の処分に頭を悩ませているといい、供用品についてはすでに売りつないでいるという。

 それでなくとも、5月中の検品申請は前期、後期合わせて492枚(2,460トン)あるだけに、5月限以降の納会での品渡しは有り余るほどある。更に、4月下旬にかけて先物が200円大台に乗せたことから、『6月から7月に向けタイ産地から新たな現物が入着する可能性もある』(市場関係者)といい、東商取生ゴム指定倉庫在庫は増勢を辿ること必至だ。

 結論は、2月から4月にかけての高騰で140円、150円、160円の安値で売った玉はことごとく踏まされたため、安値での売り玉が無くなって、下支えるべき買い戻しが無いだけに、150円を下回り始めると一気に144円50銭(2月12日、1月12日)の安値を下回って130円台に突入しそうだ。
 

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