米証券取引委員会(SEC)保有有価証券報告書から読む相場動向

 米証券取引委員会(SEC)による2016年1Qの保有有価証券報告書(F13)が発表され、機関投資家のポジション動向が明らかになった。「SPDRゴールド・シェア」の最大保有者で知られたPaulson & Co は、3月末時点で477万口と昨年12月末時点から100万口減った。その他では、3月末時点では約14万株保有していた米バイオ製薬のアッヴィを全て処分したほか、通信のTモバイルUSやAIGの保有株数を減らした。ジョン・ポールソンは、徐々に金ETF保有を減らしているが、2009年2月から3月末にかけての1000ドル以下の水準で99トン買い付けていると見られることから、トータルすると利食いになるのであろうが、サブプライムローン証券を対象とするCDSに投資して巨額の利益をあげ、一世を風靡した頃と比べると、欧州ソブリンリスクで損失を出した頃から、やや負け組になっているかもしれない。

 一方、勝ち組と言える「ソロス・ファンド・マネジメント」は、金鉱山大手バリック・ゴールド株を新たに1941万株、金額にして2億6371万ドル(約290億円)保有し、報告書に記載のある銘柄としては2番目の大きさとなった。「SPDRゴールド・シェア」も新たに105万口取得した。反対に、前回の報告書で取得が明らかになった米石油サービス会社のベーカー・ヒューズ株や石油・天然ガスパイプライン大手の米キンダー・モルガン株も全て処分した。また、アップル、ネットフリックス、スターバックス株などを新たに取得。一方で、S&PのETFのプット・オプションを購入している。最近の「中国経済に対する警戒感」や「リーマンショック時に似ている」との発言に見られるように世界経済には慎重で、個別株の上昇を見込むと同時に、株価指数の先行きに弱気見通しからヘッジをかけている割合を増加させているのであろう。年初のマーケットの動きを見ると、「当たり屋に付け・曲がり屋に向かえ」との格言が思い浮かぶ。中期シナリオの参考としたい。
 
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