ゴム相場暴落の背景には急激な需給悪化がある

 東京ゴム相場の先限価格は、5月18日の夜間取引終了時点で165.5円と一代の安値を更新した。また一時は165.3円と3月4日以来約2カ月半ぶりの安値をつけるとともに、直近高値の205.1円からほぼ40円の大幅下落に至った。今年に入ってから上昇の一途をたどっていた相場は、4月下旬を境に急転直下、下げに継ぐ下げとなり1月以降の上昇幅の約3分の2を失う展開を強いられる状況である。

 今年に入ってから、大幅下落となっていた原油、大豆を中心とした穀物が底入れ反発して上昇局面を迎えている一方で、ゴム、銅、鉄鋼、ニッケル、亜鉛などの産業素材銘柄の多くは上昇から下落に転じている。

 実際、国際通貨基金(IMF)が毎月まとめているリポートによると、調査対象の45銘柄中で上昇したのは12銘柄、逆に下落に転じたのは25銘柄で前者を圧倒している。しかも、上昇しているのが紅茶、エビ、コーヒー、バニラビーンズなど食品に限られる中、下落はニッケル、銅、石炭、スズ、天然ガスなど産業素材が占めている。中でも、最大の下げ幅を記録したのが天然ゴムで20%近い下落率(対前月比)を示している。

 最近のゴム相場の大幅続落は、ゴム自身の需給ファンダメンタルズの悪化による修正安のほかに、商品全般の下落、特に産業素材銘柄の下落傾向という流れがあることは看過できない。

 供給に関して、天然ゴムの需給バランスの悪化は生産国全体が増産に走っていることが背景にある印象が強い。タイ、インドネシア、マレーシアの3カ国は今年3月から8月までの6カ月間で合計61万5000トンの輸出削減を実施することになっているが、3月以降、産地からなんの情報も出てこないため本当に輸出制限されているのか懐疑的であり、さらに相場が上昇に転じてきたことで、安値で我慢していた生産者達が一斉に増産に走り、それが供給増につながっているとの憶測も呼んでいる。
 
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