世界的な供給不足が深刻化する大豆

 10日に米農務省が発表した需給報告で、世界の在庫は一段と減少し、タイトな需給環境が一層深刻化している。今回発表された在庫は5552万トンで、前月の5730万トンから178万トン減少している。前年度との比較では1360万トン減で、実に19.7%も急減している。
 一方、期待された中国の輸入は上方修正はなく、5500万トンに据え置かれている。中国のシンクタンクは5700万トンとの予想も明らかにしていた。中国の貿易収支の中で、3月の中国の大豆輸入は483万トン(前年比37.6%増)、1-3月期合計で1333万トン(前年同期比21.6%増)明らかにされている。旺盛な大豆輸入は継続してため、次回以降の需給報告で中国の大豆輸入の上方修正は避けられないとみる。5500万トンの前年度の増加率は5%足らずで、現状のペースを加味すれば、6000万トンの輸入が想定されてもおかしくはないといえる。
 今回、南米の大豆生産高は揃って下方修正されている。ブラジルは前月比250万トン減の6600万トン、アルゼンチンは同150万トン減の4500万トン、パラグアイは80万トン減の420万トンとなっている。ブラジルの民間調査会社からはブラジルの生産高の6500万トン以下の予想もすでに指摘されるなど、さらなる生産高の下方修正の可能性も残されている。
 つまり、中国の輸入増と南米の供給減の水準次第で、世界の在庫は5000万トン以下に落ち込む可能性も考えられる。在庫率は20%を大きく下回るため、危機的な状況に陥る可能性を秘めた需給報告だったとみるべきである。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事