ゴムは仕手戦後の処理が問題

 東京ゴム先限は先週27日に205円10銭まで買われた。21日に昨年8月11日(200円80銭)以来、実に8ヵ月ぶりの200円大台に乗せて、更に買い進まれたわけだが、ただ、これまでと違って200円大台に乗せたとなると、従来のような早いテンポで上昇すると見るべきではないし、場合によっては急落する恐れもある。。

 というのも、高値を出すことによって荷を呼び出す可能性が出てくるからだ。例えば、タイ産地では農民の換金売りが出やすくなる一方、価格が上昇すると生産国の市況対策に緩みが出る恐れがある。

 もともと、タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国が3月以降、6ヵ月間にわたって61万5,000トンの輸出を削減しているといわれるが、どの国からも、『今回はどれだけの数量を削減した』というような報告がなく、『単なる口先介入では…』と疑いたくなる。

 インドネシアが市況対策のため、50万トンの天然ゴムを買い上げるとのコメントはあったが、その後、これに関して何の情報も伝わってこない。

 いずれにしても、相場が上昇すると供給が増えるのは経済の原則であり、そのように考えると、東京ゴム先限の200円台をどんどん買い上げるのはリスクを伴う。どちらかといえば、高値があれば買い玉を利食し、様子を見るのが安全と思われる。

 タイでは高温干ばつ不安が強まっていたが、天然ゴム産地の南部では降雨が記録されるようになっており、本格的に農民の採液作業が可能となれば、タイの日本向けオファーも下げに転じることとなるだろう。

 ところで、注目の4月限納会を22日に迎えた。納会値は195円、受け渡しが528枚で、3月限の納会値167円、受け渡し91枚に比べると納会値が28円上昇、受け渡しが3月に比べて6倍弱に達した。

 このような納会内容になったのは、強気の中国筋が大量現受けを敢行したからだ。528枚のうち約350枚が供用期限切れの現物で5月限には受け渡し出来ない。このうちの推定300枚(1,500トン)は中国に輸出するか、それとも東京市場で処分するかだが、中国までの輸送費やその他の経費を考えれば、東京で処分すると見るのが自然だろう。ただ、どこで処分しようと、供用期限切れの現物は足元を見られ、買い叩かれるのが常だ。

 もとより、東京ゴムの期近(5、6月限)への影響が懸念される。

 強気で戦ってきた中国筋が今後どのような戦術を取るのか興味深いが、普通であれば4月限納会で一手受けした現物のうち、供用期限のあるものは売りヘッジ、供用期限切れのものは安値で売却しながら、これを武器に売り玉を増やして、今度は売り叩きに出る作戦に転換するケースも少なくない。要するに売りでもチャンスを狙うということ。

 中国筋が5月限の現受け分をヘッジ売りして、供用期限切れの現物を処分して、『ハイ、さようならでは』何か納得出来ないと思うのは筆者だけだろうか。今後の出方から目を離せない。
 
ゴム日足
 

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