金価格は、ドル高を映して自然調整に

年初1,565ドルから上昇傾向を維持していた金価格は2月末1,800ドルへの接近を経て一旦、調整タイミングを迎えた。2001年から続いた金価格の長期上昇相場に次第に変化の兆候が見られ始めている。年初から米国株式市場が持続的に下値を切り上げている中で、イースター前のポジション解消に、株価下落とドル高が複合的に重なった。3月雇用統計での雇用者数の伸び鈍化はあるものの、根強い金価格の上昇見通しの前提であった米国の追加的金融緩和観測が次第に後退している。目先的には1600ドル割れの下値トライの可能性が強まってきたようだ。当面の世界経済は、日米の好調さとは対象的に、欧州から中国までを含むユーラシア圏が減速傾向。中国経済の鈍化から一次産品供給元としてのオセアニア圏経済もピークアウト。金の世界では、中国を頂点とした資本流入を背景に、アフリカ大陸では社会主義政体圏を軸に、重層的な資本植民的国家群が形成され、その一角に南アフリカが位置づけられるに至った。その一方では、米国からの対外投資は限定的なものとなり、ドル安を伴う成長循環が、にわかには戻り難い環境にある。短期資本は米国内に滞留しつつ株価を押し上げる一方、輸出回復から国内雇用もトレンドは改善傾向にある。このタイミングでドル高が進展し、経済成長を阻害しない範囲で長期金利が上昇してくるなら、金価格が調整場面を向かえるのは自然な動きと言えるだろう。金価格は、2008年12月からのFFレートのゼロ金利スタンスが、経済実態を映し、誘導水準の切り上げが容認されていく過程で、アジア現物実需と折り合いをつける値位置と見る1600~1550ドルで当面の下値を模索して行くこととなろう。

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