中国の金需要減少

 先週末NY金価格は▲20.3ドルと大幅に下落し、月曜日には+10.2ドル高と半返しになっている。ただ、今後の金価格はどちらかと言えば弱いのではなかろうか。

 なぜなら世界の二大金消費国の金の需要が変調をきたしているためだ。

 中国は、経済成長の鈍化を受けて、24金宝飾品の加工プレミアムがほとんど採算割れになるまで落ちており、宝飾品用金需要が減っている。そのため、昨年大幅に増加した銀行による宝飾品加工業者向け金リース事業が急速に縮小している。その背景には金利の下落と、政府によるリース相手先の与信管理強化の政策転換がある。

 そのため、リースされた金は満期を迎えると再リースになることなく金が返還されている。返還された大量の金地金の在庫を抱えた中国四大銀行は、金地金輸入を急速に減らしており、中国の1月~2月の金の輸入量は前年同期比▲44%の輸入減となっている。3月の数値は未だ発表されていないが、上海黄金交易所における輸入金に対するプレミアムが急落しているため、3月も輸入は少ないと思われ、年内の回復は見込めないという。いよいよ中国発の個人消費減退の波が、金需要にも表れ始めている。

 一方、世界第二位の金消費国インドは政府による1%の販売税再課税反対のためインド国内宝飾品小売店舗は43日に及ぶストライキを行っていたが、ストライキが終わった後再開された店舗に金の需要は戻っていない。インドでは、昨年来金宝飾品需要の低迷が続いている。金価格が高くなり過ぎたという事情もあるが、昨年のインドの金需要が主な落ち込んだ理由は、モンスーン時期に雨が降らず全国的な干ばつとなり、農民の収入が減ったためである。需要の3分の2を占めるインドの地方の婚礼や祭礼時の金購入が、収入減の影響を受けて節約された。そして、現在インドでは連日32℃を超す猛暑が続いている。今年もモンスーン時期に雨が降らないのではないかという恐れが農村一帯に広がっている。おそらく今年もインド人の財布のひもは固くなるのではなかろうか。

 2大需要国の需要減を見るまでもなく、金は年初から17%も上昇しており、反落の時期を迎えている。ファンドのネット買い残は2012年10月以来3年半ぶりの多い水準となっており、いつ手仕舞い売りされてもおかしくない。

 また6月に向けて米国連邦準備制度理事会は利上げの兆しが出るかもしれない。そうなればドル高、商品安となる可能性がある。たとえそうならなくても、株価は乱高下から収まっており、金をセーフヘブンとして買う理由は今後少なくなるのではなかろうか。

 金価格下落に注意されたい。
 

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