ゴムの市場環境は強気に味方

 東京ゴム先限は先週21日に203円20銭まで上昇し、期先3本が200円大台に乗せた。昨年、8月3日以来の高値となるが、こうなると、次の高値は7月22日の218円、6月25日の234円90銭、更には6月2日の247円90銭となるが、前述の高値に次々とチャレンジできるかどうかだ。

 市場環境としては、①タイ、インドネシア、マレーシア3ヵ国が3月から6ヵ月かけて61万5,000トンの天然ゴム輸出削減を実施していると伝えられる、②インドネシア政府が市況対策で50万トンの天然ゴムを買い上げると発表した、③世界最大の天然ゴム生産国であるタイでは4月13~15日のソンクラン(水かけ祭)を境に雨期入りとなるが、今年はそれが遅れる見通しにある、④最近の天然ゴム市況の回復で先高人気となり、農民は売り惜しみの姿勢を強めているため、現物が有りガスレの状態になりつつある、⑤原油、貴金属、穀物など国際商品市況が上昇テンポを速めているうえに、ゼロ金利を背景に“モノ”に投機資金が流入している…など強材料が目立つ。

 特にニューヨーク原油期近は2014年6月20日の107.73ドルから今年2月11日の26.05ドルまで約4分の1まで値下がりした。史上最高値の2008年7月11日の147.27ドルから今年2月11日の26.05ドルまでは実に6分の1弱まで下げたことになる。

 これに対して天然ゴム相場はシンガポールRSS3号で見ると、2011年2月17日の648.80セントから今年1月8日の110セントまで約6分の1まで下げており、ゴムが価格面で原油と類似しているのは、原油が合成ゴムの原料となり、天然ゴムと競合する関係にあるからだろう。

 そうした関係からすると、まだ、原油に天井感は出ておらず、ロシアでの原油増産凍結の話し合いがまとまれば、45ドルを突破して50ドルを目指す可能性もないとはいえない。

 この点についてロシア・エネルギー省高官は先週21日に、『石油増産凍結に向けた新たな提案が今後1、2週間内に浮上する公算が大きい』と述べており、その提案次第で原油は動意を見せるだろう。

 また、それに合わせてロシアの石油大手ルクオイルのアレクペロフ最高経営責任者(CEO)は、『ドーハ産油国会合で増産凍結が見送られたことは破滅的状況ではない。石油業界は原油価格の安定と成長期に入っており、価格は年末までに1バレル50ドルに回復しよう』との見通しを示している。年末までに50ドルとは気の長い話だが、いずれにしても、ニューヨーク原油は26ドル、シンガポールゴムは110セントで大底打ちして日柄的にはいずれも若いだけに、ともに、まだ上値残しと見ざるを得ない。

 こうしたなかで、東京ゴムは4月限納会が幕を閉じ、中国系の強気筋が渡物の多くを現受けした。恐らく、供用期限切れの現物は中国で処分、残りは東京市場に還流するものと思われる。これで中国の強気筋がゴム市場から撤退するのか興味深いところだ。
 
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