わかりにくい相場だが、たぶん反落ではないだろうか?

 東京金も東京原油も東京ゴムもみな上げ調子になっている。

 東京金は、1月15日の4,046円から3月7日には4,622円まで+576円、+14.2%上昇した。ことに3月4日は一日で+71円、+1.6%の急騰であった。しかしその背景に何があるというわけでもない。1月初めから世界の株価が急落し、株式投資から離れた資金が割安な金に向かって金ETFが売れた。しかし、今や世界の株価は下げた分を取り戻して上昇している。リスクオンとかリスクオフというわけのわからない解説では説明できない状況である。しかも金はすでに割安ではなくなっている。金が高くなる要因として今後あるとすれば中国の不良債権処理や、過剰設備の問題であるが、5日から始まった中国の全人代では習近平政権が構造改革の推進や減税等の対策案を示すものと思われる。少なくとも13日の閉会までは何事も起きないであろう。

 東京原油価格は野村証券の発行する原油ETNが売れて、そのヘッジ玉が東京商品取引所に流れ込んでいる関係から、急騰を見せている。しかし、売られ過ぎだという感覚以外に原油価格が大幅に上昇する要因は見当たらない。サウジアラビアはあれほどロシアやカタール、ベネズエラから迫られても、かたくなにシェア確保の方針を崩していない。産油国は減産を行う余裕はなく、イランは経済封鎖解除による増産を目論んでいる。どの産油国も下落した原油価格を補うためには量を販売するしかない。一方で、原油の需要が増加するという話はどこにもない。原油需要増加の過半は新興諸国のモータリゼーションによるものだが、BIRCS各国の経済は沈没寸前である。新興諸国国民の財布は締まることはあっても緩む余裕はないだろう。こうしたファンダメンタルから考えると、今とても原油を買う気にはならない。あるとすれば売りだろう。

 東京ゴムも、原油価格につられて上昇しており、また3月1日から61万5千トンの輸出削減をインドネシア、タイ、マレーシアが行うと宣言しているが、実際にできるかは疑わしい。とりあえず東京ゴム価格は上昇して反応しているが、失望売りがいつ出てもおかしくないだろう。

 まだまだ商品価格は一筋縄で理解できるほど簡単な様相は呈していないと思う。
 

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