イラン産原油の輸出減少、原油需給は引き締まる

石油コンサルティング会社ペトロロジスティクスは、3月のイラン原油輸出量が日量190万バレルとなり、2月の220万バレルから30万バレル(14%)減少するとの見通しを示した。

米国が金融制裁の形で各国にイラン産原油取引の縮小を求めていることに加え、欧州連合(EU)が7月1日からの完全禁輸に向けてイラン産原油の取引縮小を進める中、もはや制裁に反対していた中国やインドだけでは、イラン産原油の輸出量を維持することが難しくなっていることが露呈した形である。寧ろ、価格交渉を有利に進める観点から、中国こそがイラン産原油の取引量を圧縮しているのが現状である。

EUは、イラン産原油取引に対する再保険の引き受け禁止措置も導入しており、制裁の有無にかかわらず、国際社会はイラン産原油取引を縮小せざるを得ない状況に追い込まれている。現段階では、EU域外の国への輸送に対する保険契約は認められている。しかし、7月1日以降も再保険を認めるのかは5月に再協議するとしており、イラン産原油取引環境の悪化は否めない。

こうしてイラン産原油の供給量が本格的に減少すれば、日量250万バレルの余剰生産能力を有したサウジアラビアが増産に動く可能性が高まる。しかし、それは石油輸出国機構(OPEC)が実質的なフル生産体制に入ることを意味し、今後は需要拡大や供給トラブルに対応するための増産余力の低下が、原油相場の高止まりを促し易い地合になっている。

イラン産原油の輸出量が更に落ち込む可能性が高いことを考慮すれば、原油高にブレーキを掛けるのは難しいだろう。105ドル水準で膠着気味の相場展開が続いているが、消費国の備蓄在庫放出といったサプライズ的な動きがない限り、上値切り上げ傾向は維持される可能性が高い。寧ろ警戒すべきは、国際エネルギー機関(IEA)なども警告する「原油高→世界経済の後退」というシナリオである。

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