ボラティリティーは高くない。

 最近の東京原油価格はボラティリティーが高くなっているのではないかと思って調べてみたが、そんなことはなかった。詳しい表やグラフは今週末金曜日発行の週刊CXに書くつもりだが、数字的なことを述べておくと、東京原油価格の2016年1月の月中高値は29,440円、安値は28,800円で、その差は640円であった。これは極めて低い数値で、2004年5月に50円という高低差があるが、それ以来の低い変動幅であった。感覚的には日中に朝方のNY市場を見て値上がっていればプロフィットテイクの売りが出て午前中に下がり、午後から再び上がるというような値動きになっているのではないかと感覚的に思っていたが、はっきりした数値で示せるわけではない。毎日の高低差の平均がかなり小さくなっているというのが数値的な事実である。例えば2014年10月原油価格の下落が始まった頃は月に12,180円と五桁の高低差があった。それが今年に入ってからは三桁に落ちている。

 ちなみに東京金価格の今年1月の平均高低差は207円であり、おおよそ標準的な値差である。こちらもボラティリティーが高くなっているわけではなかった。昨年7月、8月、10月、11月は300円以上の値差だったので、それよりは100円ほど動きが沈静化しているという数値となっている。ずいぶん感覚とは違うものだと思った。

 NY市場が休みの間に原油価格はサウジアラビア、カタール、ベネズエラ、ロシアが会合を開き、1月の生産量で今後の生産を凍結する合意をし30ドル台を回復したが、休み明けのNY市場では、夜間取引では5日以来の水準へ急伸したが、減産に踏み切るまでには至らなかったことから、引き続き供給過剰懸念が重しとなり、その後は一転して大きく切り下がり、再び29.04ドルと30ドルを割っている。原油価格もなかなか一筋縄ではいかない。

 最近の商品価格は大きなトレンドになりにくい。金も原油もETF経由で証券投資家が売買を行っており、より多くの視点が入るようになっている。一方向にまとまると大きな動きとなるが、そうした時は限られており、通常は硬軟相まって綱引きとなっている。それがボラティリティーの低さになっているのではなかろうか。値動きが緩慢なのは歓迎すべきことではあるが、大きなトレンドが出ないことには大儲けは夢のまた夢である。
 

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