タイ政府の“伝家の宝刀”にサビが出たゴム!?

 東京ゴム先限は1月25日に166円30銭まで上昇したものの、その後は高値警戒から反発し、高値から10円強下げた。1月12日の安値から22円弱反騰したが、早くも、その半値近く値を消しており、タイ政府の10万トン買い上げという“伝家の宝刀”にサビが出始めた格好だ。

 この値下がりは東京だけではなく、シンガポールRSS3号期近も1月15日の135セント、25日の133セントから28日には122セントまで値崩れ。上海ゴムの中心限月も1月25日の1万0,500元から28日には1万0,210元まで下げ、1万元を支えることが出来るかどうかの足取りに変わっている。

 このように、東京、シンガポール、上海がそろって急反落した背景には、すでにタイ政府の買い上げを相場が織り込み、今度はタイ政府が抱える在庫が推定40万トンに膨れ上がり、その処分をどうするのかに、市場の目が移っているからだろう。

 これらの在庫を中国に輸出するといっても上海ゴム在庫だけでも26万トンからあり、しかも、中国経済の減速が背景にあるだけに、おいそれと現物を処理出来まい。政府が在庫を抱えれば、当然、保管料もかかり、時間の経過とともに品質が劣化する。

 東商取(東京商品取引所)が生ゴムを輸入してから供用期限を1年としているのも、それ以上に長いと品質に問題が生じるからだろう。タイ政府が今回10万トンの現物を買上げたが、それ以前に買い上げた20万トンの現物は2014年11月~2015年3月に買い上げたものだし、残る10万トンはインラック政権時代の古い現物と見られる。

 こうした現物を処理する時には、当然価格が極めて安く、それがセントラルマーケットの価格を押し下げるリスクがある。

 タイ政府は今回も農民のためといって148億円ものカネを投じて10万トンの天然ゴムを買い上げたが、これが、逆に、供給過剰分のゴム樹伐採を遅らせるだけではなく、ゴム価格の大底入れを遅らせることを頭に入れるべきであろう。

 現地では、一部に新たに45億バーツの資金でゴムの追加買い上げのうわさが流れているが、幾ら政府が現物を買い上げても相場が回復しないと、むしろ、市場にゴムが供給過多であることを強く認識させ、それによる失望売りで価格が暴落する恐れが無いとはいえない。

 タイでは2~5月が季節的な減産期にぶつかっており、これにより、時に相場が反発する可能性はあるものの、上値は限定的と思われる。

 東京ゴム先限は1月21日の154円40銭を下抜いてしまうと、次のターゲットは1月12日の144円50銭になる。ここをも切ってしまうと、それこそ、130円へと暴落するのではなかろうか。
 
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