リーマンショック後の安値に向かう可能性あるTSRゴム

 タイ政府の市場買い介入政策が功を奏して前週までは堅調な市況情勢となっていた内外のRSS(シート状ゴム)相場は、今週に入ってから材料の織り込み一巡で値動きに一服が入っている。しかし、大幅に続落していた原油相場も下げ止まる状況となっていることもあって、外部的な圧力が軽減されつつゴム相場が底入れしたのではないかとの楽観的な見方が広がっているのは事実である。

 しかし、気になるのは最も消費比率が高く指標性の高いTSR(ブロック状ゴム)の値動き。RSSが上昇傾向となっている一方、TSRの上値は重く引き続き下値不安が底流したままである。このTSRが安値を出し切っていなければ、RSS相場が底入れしたと見るのは早計だろう。

 このシンガポールTSRは、1月12日に一時105.5セントまで急落したが、そこからいったん上昇に転じた。タイRSS現物高からシンガポールRSSが急伸したことに刺激を受けて買いが主導した。ところが、ここにきて再び下落歩調となり27日に106.0セントまで後退。ここから一段下げとなった場合は年初来安値を更新して2009年3月以来の安値をつけることになる。更に、先行き一段安の見方が誘われ、2008年12月のリーマンショック後の安値99セントを意識する展開となることが想定できる。

 仮に、リーマンショック後の安値99セントを下回った場合、2003年以来の安値をつけることとなり13年ぶり安値まで沈むことになる。この結果、相場は再びドロ沼化し、2001年の相場上昇の起点となる50セント付近の安値を意識する展開になる可能性もある。

 シンガポールTSRが上値重い原因は、基本的な需給が緩和したままであるためだ。今回、タイ政府の市場介入策で効果が出たのはRSSだけとなっているが、TSRの価格を人為的に上昇させるには、タイだけで単独で政策を実施するだけでは効果が薄く、他の生産大手であるインドネシアやマレーシア、ベトナムなどとも一丸となって価格浮揚策を講じる必要がある。 特にインドネシアやベトナムでは生産のほとんどがTSRであり、逆に、タイ以外の国々が協力し合って需給調整策や輸出制限をかける必要がある。
 
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