原油相場見通し

 NY原油価格が12年ぶりの30ドル割れまで下落している。年初にサウジとイランとの外交断絶から一時的に買われたものの、主要生産国の供給障害には至らず、北朝鮮の水爆実験・ジャカルタ爆破テロなどが、中国ショックと共に世界的な株価暴落を招き、地政学リスクが金融市場のリスク回避に繋がっている状況だ。

 イランとサウジの断絶で後ずれが意識されたイランの制裁解除に伴う原油輸出再開の動きも順調に推移しており、マーケットの上値を抑えた。イラン石油省傘下のシャナ通信が18日伝えたところによると、イラン石油省幹部は日量50万バレルの原油増産を命じる通知を出した。

 一部でOPEC緊急総会開催期待もあったが、サウジに原油減産を受け入れる気配はないままだ。現段階でのサウジにとっての優先順位は、シェールなどの代替エネルギー開発を阻止・国際原油市場での主導権を維持する事で、イラン対抗策という観点からも、6月OPEC総会前の減産には応じないと思われる。イスラム教シーア派のイランと、スンニ派のサウジやその他諸国が外交断絶に発展した事もOPECの結束を難しくしている。

 対ロシア政策もあり、米国もここにきて原油輸出解禁の動きを見せており、原油安を巡るチキンレースが世界的に始まっている様相だ。暖冬であり、米原油在庫の歴史的な高水準や、メキシコ湾岸の新プロジェクト始動など上値を抑える要因は多く、イラン輸出再開の遅れや、新たな生産国リスクがなければ、25~45ドルの安値低迷相場が続きそうだ。
 
1
 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事