緊迫する世界情勢

 年始早々世界同時株安となり、サウジアラビアとイランが敵対関係に陥っている。本日発行の株式会社コモディティーインテリジェンスの「週刊経済指標」に載せたが、1月4日の上海株価は1日で▲7.7%下落し、株式20市場の中で最も大きな値下がりを見せ、それがドイツの▲4.1%、フランスの▲3.1%、日経平均株価の▲2.9%、英国の▲2.8%など全世界の株価下落に波及しているが、12月1日から比べると上海市場とベトナム、豪州市場は100を上回っている。つまり、これだけ下落しても中国の株式投資家は12月初めから見てプラスとなっているのであり、8月24日の下落時と同様中国の投資家は株式市場のボラティリティーが高かっただけに過ぎず、決して多くの投資家が大損している状況にはない。ただ、中国が内包する不良債権、不良資産、不良在庫、過剰設備など整理すべき項目は枚挙にいとまがなく、多くの評論家がいずれ問題になると思っている。過去の中国は安い労働力を売り物として労働集約型の安かろう悪かろうという商品で一世を風靡した。しかし、そうした低コスト・低品質の商品はいずれ売れなくなる。中国の輸出は9カ月連続の減少で、輸入は13カ月連続で減少している。こうした経済の停滞は金持ち中国の印象をいずれ一変させるだろう。アジア・アフリカや中南米に見せた中国の資金力はいずれ限界が来るものと思われる。

 一方、サウジアラビアとイランの国交断絶は一種の見かけ倒しに終わるかもしれない。国内に反政府勢力を抱き、原油価格下落による歳入不足、歳出削減に不満を抱く国民を抱える双方にとって対外的な緊張感は国民の目を反らす絶好の常套手段である。問題はこれがエスカレートして両国がホルムズ海峡をはさんで戦闘状態に陥るとか、機に乗じて両国内のどちらかに政変が起きるなどという事態に発展すれば、大事となり、その火種は抱えている。

 中国も中近東も今後注目し続ける必要はあると思うが、今すぐどうのという事態ではないと思われる。

 円高に影響を受けたがNY金価格が上がり、東京金価格も上昇した。金価格は上記の地域やベネズエラ・マレーシア・ロシア・ブラジルなどの産油国経済と共に、金価格の上げ要因となりうる地政学的リスクになる可能性がある。他の商品は、たとえば原油価格は、中近東次第ではあるが、それが張り子のトラであることが分かれば下落基調を余儀なくされるだろう。ただし、本物なら急騰する可能性がある。時に冗談も本気に取られることがあるので注意したい。
 

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