FOMCのメッセージ、読み誤っていない?

米連邦公開市場委員会(FOMC)後の金相場が急落したが、違和感が強い。メディアの解説だと、「金融緩和による刺激措置の拡大はないとの見方が広がった」(Bloomberg)とされている。しかし、今回のFOMC声明文では量的緩和第3弾(QE3)について、否定も肯定もしなかったのが実情であり、「これでQE3は消えた」といった一部メディアの報道、マーケットの反応は過剰反応とみている。

声明文からは楽観的な文言だけが拾われているが、雇用や住宅セクターに対しては依然として厳しい見方が維持されており、金融市場の緊張が、「引き続き景気見通しに著しい下振れリスクをもたらしている」との見方にも変化はない。そもそも、2月29日のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を見ても、景気減速への警戒感を解除していないことは明白であり、メディアの報道が先走りしている印象が否めない。

懸案事項となり始めたインフレに関しても、原油高による「一時的」なものと楽観姿勢が示されている。インフレが金融緩和政策に修正を迫るシナリオが否定される中、これでQE3を完全に否定するのは、マーケットがFOMCのメッセージを読み誤っている可能性が高い。

6月末には、長期金利の低下を促す目標で導入されたオペレーション・ツイストも期限切れを迎える。現状はあらゆる政策カードを並べて、「最大限の雇用確保」を追及する手段を模索している状況との理解が正解だろう。不胎化を伴うQE3や、オペレーション・ツイスト第2弾(OT2)といった話も出ているが、通貨価値の希薄化というメインのテーマには何ら変化が生じたとは考えていない。少なくとも、金相場の上昇基調が修正を迫られる状況にはない。

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