2016年は新たなサイクルの始まりへ

米連邦準備制度理事会(FRB)は、2015年12月15、16日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、9年半ぶりの利上げに踏み切った。17日から短期金利の指標となるFF(フェデラルファンド)金利の目標を0.25%引き上げた。リーマンショック後の世界金融危機を打開すべく米国が量的緩和(QE)を開始したのが2008年11月であり、実質的なゼロ金利が7年間続いたが、この日をもって金融政策は正常化された。振り返れば、今年は米国がいつ利上げをするかで揺れた1年だったといえるだろう。年前半は、雇用統計の回復を受けて6月の利上げが予想されたが、慎重な姿勢から利上げが見送られた。第3四半期(7~9月期)の国内総生産(GDP)成長率は年率換算+2.1%と好調だったものの、夏は中国人民元の切り下げによるチャイナショックを受けて世界的に株価が急落し、米国経済への影響が懸念されて9月も利上げは見送られた。しかし10月と11月の雇用統計は、非農業部門就業者数、失業率、平均時給がいずれも満足のいくものとなり、イエレンFRB議長が利上げを確信できる状況になった。FOMC終了後の声明では、雇用は相当改善しており、物価上昇率についても中期的には目標である年2%に近づき、景気の見通しについても緩やかな拡大が続くと、今後の経済動向に関して自信を示し、今後の利上げペースに関して、イエレン議長は「緩やかに進んでいく」と述べた。今回の利上げは市場にほぼ織り込まれており、発表直後の金融市場は大きな混乱なく落ち着いて推移している。市場は、金融政策の正常化が継続するか、つまり、順調に利上げサイクルが稼働するかどうかに焦点をあてているようだ。因みに、FOMC後に公表された2016年末のFF金利予測(当局者17人の中央値)では、来年に0.25%の利上げが3~4回実施されると想定している。

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