石油の供給過剰に拍車がかかり、一段安必至の原油相場

 世界的な供給過剰の改善がみられないまま、WTI・ブレントとも下値を探る展開を続けており、底入れの兆しが一向にみえない状況が続いている。

 米上下両院では12月21日の週に原油の輸出解禁に関する法案が可決される見通しとなっている。現在、メキシコ向けに部分的な原油の輸出を実施しているが、米国はオイルショック以降、原則的に原油の輸出を禁止している。これが全面的に解禁される見通しで、オバマ政権もすでに石油製品の輸出が拡大していることもあり、議会を通過すれば、署名する意向を示している。

 米国国内での原油の生産は高止まりしているが、石油の需要は伸び悩んでおり、天然ガスの輸出開始に続いて、原油も輸出される運びとなる。

 また、先日、IAEA(国際原子力機関)によってイランの核査察に関する最終報告が合意・承認され、イランの経済制裁解除も年明けには実施される見通しとなった。イランの原油輸出も拡大し、増産は必至の情勢である。

 従って、米国・イランの原油輸出は、供給過剰な世界の石油市場のさらなる重石になることは必至の情勢である。

 OPECやロシアなどの主要な産油国はこうした原油輸出の動きを前にして、減産の動きを全くみせていない。本来であれば、世界的な暖冬の影響もあるため、石油の需要の低迷を受けての生産調整があって然るべきだが、輸出シェアの維持を優先して、原油の減産には極めて消極的である。サウジは宗教的・政治的に敵対するイランの輸出拡大・増産を利する減産には踏み切れる状況であり、サウジが減産しても、イランやイラク、ロシアが増産することが予想されている。

brent

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