【Oil Weekly】イラン情勢緊迫化と実体経済の制約

<需要減退リスクも高まるが>
NYMEX原油先物相場は、110ドル水準まで値位置を切り上げる展開になっている。引き続きイラン情勢を巡る先行き不透明感が強く警戒され、上値切り上げ傾向が続いている。ただ、急ピッチな価格高騰で需要減退リスクも警戒され始めており、高値圏で不安定な値動きになっている。3月1日の時間外取引では一時110ドル台を回復するも、この価格水準に需要環境が対応できるのかが疑問視され始めている。「供給リスク」と「需要減退リスク」のパワーバランスがどちらに傾いているのかを見極めるステージになる。

<IAEAがイラン核開発に重大な懸念表明>
国際原子力機関(IAEA)は2月24日、イランの核開発に関する報告書をまとめ、ウラン濃縮活動の加速を指摘した。イランの核開発が軍事的な側面を持つ可能性があることに「重大な懸念」を表明しており、イラン情勢を取り巻く緊張状態は一段と深刻化している。更に29日には、イランの軍事基地で特定できない「何らかの作業」が行われている可能性も指摘されており、イランの核査察を巡る攻防は激化している。3月5日にはIAEA理事会が予定されているが、ここでは欧米諸国を中心にイランの核兵器開発疑惑に一段と強硬な姿勢が示されるのは必至であり、原油相場に対するリスクプレミアムを大幅に引き下げるのは難しいだろう。

<軍事行動のリスクも高まり始める>
特に、ここにきてイスラエルの態度が硬化していることに注意が必要である。欧米諸国はイラン産原油の禁輸を柱とする経済制裁の効果を見極めたいとのスタンスであり、直ちに次の行動を起こすことには消極的でとみている。しかし、イランによる核攻撃のリスクに直面しているイスラエルは、軍事行動を起こしてでもイランの核兵器開発を阻止する意向を鮮明にしており、マーケットは軍事紛争に発展するリスクさえも織り込み始めている。こうした状況が続く限りは、原油相場の下落余地は限定的だろう。

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