依然として取り巻く環境が暗澹としている一次産品市況

9月17日付けの英フィナンシャル・タイムズ紙が一つの興味深い記事を掲載した。独立調査機関コンファレンス・ボードのエコノミストによる研究で、中国の1978年から2012年にかけての経済成長率は中国政府が公表している数値は9.8%だが、同研究によると年率7.2%だという。中国政府の数値を2.6%ポイントも下回っている。更に、同研究では、2008年の中国成長率は政府の9.6%に対し4.7%、2012年は政府の9.7%に対し4.1%だと推計した。そして、2015年第2四半期の成長率は4.3%だとした。電力や鉄道貨物、そして銀行貸し出しを参考に算出した推計値だと説明した。

この大胆な予想は一つの参考にするとして、アジア開発銀行(ADB)が9月22日に発表したリポートの中で、同じく中国の2015年の経済成長率予想を6.8%に下方修正した。7月時点の予想値7.0%から0.2ポイント引き下げた。投資や輸出の不振が見直しの理由。中国政府が目標とする約7%の成長を達成することは困難と指摘した。来年の予想も6.8%から6.7%に下方修正した。

更に加えてADBは2015年のアジア新興国の経済成長率予想を3月時点の6.3%から5.8%に下方修正した。同数値は2001年実績の4.9%以来14年ぶりの低さになる見通し。中国経済の減速に加え、先進国の景気回復も遅れていることが原因。米国の利上げ観測を背景とするマネー引き揚げや通貨安も、域内経済に影を落としている。来年の成長予想についても3月時点の6.3%から6.0%に下方修正した。

一連の中国を中心とした経済成長率の下方修正は、株安などの金融市場に下値リスクの影響を与える他、消費活動の停滞や地域通貨安などにもつながる。そしてそのことは、産業素材の消費規模を縮小させ、ゴムや銅、アルミ、亜鉛などの一次産品市況にとっては価格の下方修正を招来する可能性がある。

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