波乱含みの石油相場だが、ファンダメンタルズの悪化に変化なし

 世界的な株式市場の急伸を受けて、WTIやブレントも急反発している。WTIは27日に10%以上も急伸し、一気に40ドルの大台を回復。WTI期近10月限が8月24日に37.75ドルの安値を示現した時点ではリーマン後の安値である33.20ドルを試すとの声も挙がっていたが、株価の急伸で石油市場を取り巻く市場ムードが大きく様変わりをみせている。
 株安要因として原油の急落がよく指摘されている。しかしながら、40ドル台前半以降の原油安は株安が大きく影響したと考えられる。従って、しばらくは株式市場の不透明な展開に石油市場も追随する不安定な相場つきを強いられるだろう。
 ところで、米EIA(エネルギー情報局)が26日に発表した週間在庫統計で、原油在庫は前週比で545.2万バレルも急減している。ただし、原油輸入の急減が影響したためで、WTIの支援材料になり切れなかったのは確かである。米国の原油生産は日量平均で933.7万バレル、前週比0.1%の減少にとどまっている。3週連続の減少であるが、その減少率も1.4%。高水準の供給に変わりない。米ベーカー・ヒューズが発表する掘削リグも6週連続で増加しており、原油相場の下落でも高水準の生産意欲には変わりなく、今後とも過剰な供給は続くとみられている。
 米国は今夏、例外的にメキシコ向けの原油輸出を実施する意向を明らかにしている。日量10万バレル程度とみられるが、今後の原油輸出再開に道筋をつけるためとみられる。メキシコは生産能力が年々低下しており、さらなる輸入増が見込まれている。また、キューバとの国交を米国は回復したが、キューバ向けの石油製品輸出拡大も想定される。米国は原油輸出をまだ禁止しているが、石油製品の輸出は中南米や南米向けに拡大しており、リーマン後の2倍以上に増加している。さらなるニーズの高まりもあり、こうした製品輸出を賄ううえで原油の供給はさらに増加するとみられる。

WTI20A

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