ゴムは産地の増産、中国需要の減退、アジア通貨安の三重苦

ゴムの市場を取り巻く環境からすると、まだ先行きを楽観的に考えることは難しい。むしろ190円という心理的な抵抗が下値のつっかえ棒となってはいるものの、この支えがいったん外れてしまうと、年初来安値である1月の190.9円、あるいは心理的な節目190円を一気に下抜けると見るのは妥当である。

ゴム相場の安値不安がなかなか解消されないのはさまざまな上値圧迫要因が底流し続けているため。具体的には以下のような要因がある。

(1)ゴム価格の大幅な下落の途上における一時的な価格上昇による生産各国の増産傾向、(2)世界最大の天然ゴム消費国・中国の景気減速とタイヤ向けや工業用向けを中心とした需要の減少、(3)石油安に伴うナフサ安・合成ゴム安による代替需要の低下、(4)マレーシアリンギやタイバーツなど産地国通貨の記録的な急落、(5)人民元の切り下げ、など。

以上5項目の中で(5)については、8月11日、12日に中国政府が実施した人民元切り下げでドル高となり、ニューヨーク市場を中心とした世界的なコモディティ相場の急落と同時に、株価にも強い下落圧力を及ぼした。

この影響などもあって急落しているのがNY原油相場であり、その原油安が(3)の合成ゴムとの代替需要の影響にも関連してゴム相場を圧迫している。

また(4)の産地国通貨安に関しては、先週書いたとおり、マレーシアリンギが17年ぶり安値、タイバーツが6年ぶり安値をつけるなど全面安となっている。輸出国にとっての通貨安は同提示価格で輸出価額が増えるため収入増につながる。逆に、提示価格を引き下げても輸出価額は一定の水準を保つことができるため有利となる。従って、最近の対日商社向けオファーが安唱え傾向となっている一因がこの通貨安にあるのは間違いない。

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