予想に反して金価格は上がらなかったが、やがて上がるかもしれない

 ギリシャ問題は予想通りであり、上海の株価急落も思っていた通りであった。しかし、それが商品価格に及ぼす影響についての、肝心なところの予想は間違っていた。NY金価格はギリシャの国民投票が反対61.31%だったと公表された今日の朝方、なでしこが5点も入れられる予想外の展開同様にサプライズであったが、NY金価格時間外取引はシンガポールで上昇した後、東京時間では株安と円高に押されて金価格は下落した。どうやら東京市場の金投資家は株価と金価格あるいは、円高と金価格を連動して考えているようである。また上海総合株価が急落しているので、中国人投資家が株とともに金投資も手仕舞ったのではなかろうか。
 金に対する古い考え方であれば、ギリシャという国民が混乱の坩堝に自らを追いやる決断をしたこと、自殺するのは痛く無いという幻覚症状に陥っていることに対して、西欧世界では初めて先進国が本格的なデフォルトに入るという局面では、金を買わないまでも金を売るという発想は出てこない。
 しかし、現実に金は少なくとも東京市場では売られている。これから7月14日の円建て債の利払いや20日のECBへの返済が滞れば、すでにIMFへの返済遅延と認定されて実質的なデフォルト状態に陥っているギリシャは「晴れて」名目上も「デフォルト」となる。そうなれば、ECBからのELAによる資金供与が終わり、ユーロ通貨自体がギリシャ国内では調達できなくなる。それはドラクマを発行してユーロを離脱するしか方法が無くなることを意味する。
 現代社会では、クレジットカード等の信用取引が不能になり、さらに信用できる通貨が存在しなくなれば生活はできなくなる。
 IMFも債権者である欧州諸国も、債権切り捨てを行うことによる直接的な痛痒は感じない。ギリシャ国民は、たとえ借金が棒引きされて、無くなったとしても、どうやって生活するのかの糧は得られない。官庁も給与が払えなくなり、年金はもらえなくなるだろう。混乱するのはギリシャ国民だけである。
 だからお金の貸し手の欧州諸国の国民は、ギリシャの問題であり自分たちの問題ではないと捉える。ましてや日本の国民は遠い国の茶番劇を見ているだけであり、それよりも手持ちの日本株の下落が直接的な痛痒となる。それに対しては金を売るしか無いという発想になるのだろう。遠い国の混乱が金を買わせるのではなく、身近な株価やドルの下落が金を売らせている。そこまでの連想が必要であった。金価格の売りは新たな売りではなく、手仕舞い売りであろう。
 今後の予想としては、欧州諸国のギリシャに対する出方如何である。メルケル首相はギリシャであれどこであれ、ユーロを離脱することを嫌っている。それが、つなぎ融資やデフォルトを避ける方策の提案につながるかもしれない。すでに今日からチプラス首相は精力的に欧州代表との会議を始めているが、何らかの妥協案がでれば、株価は戻り、金価格も戻るかもしれない。どっちにしても金価格は上がるだろう。
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