金は雌伏の時

6月29日、欧州連合(EU)ユーロ圏諸国は、緊縮財政の是非を問う国民投票の実施を決めたギリシャに対し、現行の金融支援策の打ち切りを決定した。国際通貨基金(IMF)への債務返済期限が迫る中、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高まったとの警戒感が広がり、世界的な株安を招いた。ギリシャのチプラス首相は同日、IMFに対する債務15億ユーロ(約2100億円)について、30日の期限までには返済できないと発言した。IMFは、1944年7月にアメリカ合衆国ニューハンプシャー州のブレトンウッズで開かれた国際連合の「金融・財政会議」のブレトンウッズ協定によって、戦後復興策の一環として国際復興開発銀行と共に1946年3月に29ヶ国で創設された。主目的は、国際通貨システム(為替レートと国際的な決済の仕組み)の安定を維持し、金融危機を予防するために、各国、地域、世界全体の経済・金融情勢を監視し、加盟国に対して、経済の安定を促進し、経済危機や金融危機に対する脆弱性を改善させる。対外的な支払が外貨の受取りを超過するために外貨不足に陥るといった国際収支上の問題に加盟国が対応することを支援するため一時的に資金を融資する。しかし、今回のギリシャ債務問題は、第二次世界大戦後の国際金融秩序を司ってきた国際機関が機能不全に陥ったともいえる。同日29日、中国ではアジアインフラ投資銀行(AIIB)の調印式が行われ、50カ国が調印した。AIIBは、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)では賄いきれない増大するアジアにおけるインフラ整備のための資金ニーズに、代替・補完的に応えるということを目的として、中国が設立を提唱したアジア向けの国際開発金融機関で、2015年末の業務開始を予定している。AIIBは、“中国による”“中国のため”の国際金融機関と言われ、日米両国はガバナンスの問題や政治的対立から不参加となった。事実、中国は投票権26.06%(持分率30.34%)を保有し、拒否権を確保した。

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