エルニーニョによる天候不順がゴムの生産に悪い影響

 今年に入ってからの天候不順が天然ゴム産地の生産に悪影響を及ぼし、徐々にゴム価格の値位置を押し上げる可能性がある。

 日本の気象庁が今年4月に「エルニーニョ現象が発生した」と報じた際、天然ゴム市場で大きく話題にされることもなくその影響も軽く受け止められていた。しかし、そののち豪州の気象庁も「エルニーニョで太平洋の温度が上昇し1997年の状況に類似している」と公表した際には、少しずつ無視できない要因となってきていた。

 更に、今月に入ってから国連食糧農業機関(FAO)は「世界で発達しているエルニーニョ現象が年内を通して続く可能性がある」との見方を示した。同機関は「エルニーニョが世界の穀物生産に打撃を与える公算が大きい」とジャカルタ会議の席上において指摘。その中で「今期、2015-16穀物年度の小麦生産は1.4%減少するだろう」との具体的な予想を示した。

 加えて、同じタイミングでインド政府は、エルニーニョ現象が今シーズンのモンスーンに影響を及ぼし農産物生産に被害が出る可能性があるとの見方を示すとともに、同国のインド・ゴム研究所(RRII)は、「1970年以降の気温データから解析すると、エルニーニョなどの異常気象で温度の変化が激しくなると天然ゴムの生産性が低下する」との研究報告を明らかにした。

 前述のとおり、豪州気象庁は今年のエルニーニョが1997年のパターンだと指摘したが、この年、マレーシアやインドネシアのパームオイルやカカオ、天然ゴムなどの農園において長期乾燥が原因で自然発火し樹木の一部が焼失する被害が出たとの記録がある。特にマレーシアではこの影響で食料価格が高騰しインフレ率が8年ぶりの高水準に達した。このため、エルニーニョ現象の程度が強くなり、かつ長期化した場合は天然ゴムを含む作物全般が不作となることで農産物価格の上昇につながる確率が高まるようだ。

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