粗鋼市場と同様に天然ゴム市場も中国の景気動向が鍵

4月15日付けのブルームバーグの報道の中に気になる記事を見つけた。中国国家統計局が同日発表した今年1-3月の中国粗鋼生産が前年同月比1.7%減の2億0010万トンとなり、1995年以来20年ぶりの前年割れになったという。ちなみにこの粗鋼の需給統計は景気動向を示す指標として重要視されている。

昨年2014年のこの中国の粗鋼生産量は8億2270万トンで過去最高を記録していた。ただし伸び率が急速に鈍化していたことで、前年割れの兆候が出ていた上、中国鋼鉄工業協会は「鉄鋼生産はピークに近づきつつある」と予見していた。中国の景気後退に伴う粗鋼需要の伸び悩みが根本的な要因としてあるが、直接的には中国政府の生産調整対策が影響している。

この中国の状況に伴い、当然のことではあるが粗鋼市況の値崩れが警戒される。事実、世界の鉄鉱石需給が緩和しているため米JPモルガン・チェースは2018年にかけての価格見通しを引き下げた。同社は今年の鉄鉱石価格が1トン当たり平均51ドルになるとの見通しを示し、従来予想から20%の大幅な下方修正をした。来年2016年の価格見通しは22%引き下げて50ドルとし、17年は18%、18年は8%と、それぞれ下方修正している。同社アナリストによると、「大手鉱山会社が近い将来生産を減らすとは予想していない。市場シェア縮小への懸念などが理由。価格が下落しているのは積極的な供給拡大が予想されるためだ」と述べているが、更に、その原因の一角として言うまでもなく中国の需要縮小がある。

参考までに、2014年の世界粗鋼生産は16億6520万トン。このうち中国生産は8億2270万トンで世界全体の49.41%、ほぼ半分を占める。同時に、この中国の生産数量は欧州連合・全28カ国の合計1億6930トンの約5倍に相当。それだけ近年の粗鋼市場における中国の存在感は大きいだけでなく生産規模の大きさは需要の規模もその分だけ大きいことを示している。

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