市況が本格的にアク抜けするには環境が十分に整っていない

「シェール革命」というワードが経済界、産業界に浸透してからまだ1年か2年ほどしか経っていない。

このシェール革命が起こる前の2013年頃までのエネルギー界において近い将来石油が枯渇するであろうとの見方が席巻し、早ければ2020年頃から深刻なエネルギー争奪戦が世界中で巻き起こるのではないかと囁かれていた。当時、急激に伸ばしていた中国の旺盛なエネルギー消費を担保する術がなかったためだ。その一方、世界最大であるサウジアラビアのガワール油田をはじめとした巨大油田において原油残存量が少なくなり、海水を注入することで油圧を上げてやっと原油を産出するという方式が広がっていたのもこの時期である。そのような状況を一変させたのは紛れもなくシェール革命であり、世界の石油をガブ飲みしていたアメリカが逆に石油輸出国に転身するかもしれないという状況へと激変している。

このように、石油において、「資源枯渇」の危機は今のところ回避されているわけで、その状況とともにWTIは急速に値を崩す展開が継続したままである。WTI期近は3月に一時42.03ドルまで下落し6年ぶりの安値をつけた。2008年の高値147ドルからは100ドル以上も下落した。

直近は、3月中旬から出直り歩調となっていたが、4月8日に暴落したことで再び市況情勢は暗転している。なお同日のWTI期近は前日比3.56ドル安の50.42ドル。一気に4ドル近く下げて直前の続騰による上げ幅をほぼ消しにした。急落の背景には在庫増がある。参考までに、米エネルギー情報局(EIA)統計によると4月3日現在の米原油在庫は前週から1095万バレル増加し1930年以来の高水準に達した。

ここまで原油マーケットについて振れたが、特に昨年夏からのWTIの急落は、天然ゴム価格に対し大きな負の要因となり市況を圧迫している。2014年7月から今年3月までのWTIの下げ率は62%。これに対し同じ期間のシンガポールTSRは23%下落したが、このゴム安のかなりの部分が原油安に影響していると考えられる。実際、合成ゴム価格はブタジエン(アジア・スポット)ベースでトン当り900ドルまで下落を強めている。これは2011年の高値4000ドルから4分の1以下まで下落していることになる。

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