FOMC後の金相場急騰を考える

1月25日のNY金先物相場は、終値ベースで昨年12月9日以来となる1,700ドル台に到達した。相場急伸の原動力は、同日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)である。

同会合では、異例な低金利政策を「少なくとも2014年遅くまで」維持する可能性が高いとして、従来の「2013年半ばまで」よりも時間軸を延長する方針が採用されている。加えて、今会合からはFOMCメンバーの金利予想も発表されているが、17人中で年内の利上げを見込んだのは僅か3人であり、13年3人、14年5人、15年4人、16人2人と、早期の利上げは殆ど意図されていないことが再確認できた。

マーケットでは、最近の米経済指標改善を受けて、利上げや資産売却(=量的緩和政策の解除)などの引き締め的な政策が前倒しで採用されるリスクが警戒されていたが、当局は低金利政策へのコミットメントを修正していないことが明らかになっている。

加えて、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、資産の追加購入が「選択肢」として議論されていることを明らかにしており、未だ量的緩和第3弾(QE3)の可能性も排除されていない。

これは、通貨価値の希薄化、金保有の実質コスト低下といった、昨年に金相場を過去最高値まで押し上げた基本的な相場環境に変化が生じていないことを意味する。25日の取引では前日比+35.60ドルという急騰相場が実現したが、その底流には「当面の金利上昇はない」との安心感が強く影響した模様だ。

昨年12月は流動性環境の悪化で、「流動性への逃避(Flight to Liquidity)」から金も売却対象になった。金リースレートが大きくマイナスサイドに沈んだことは、欧州系銀行が保有金を売却した可能性も示唆している。ただ、その後は欧州中央銀行(ECB)の資金供給拡大などによって、流動性環境も最悪期を脱しつつある。

再び「通貨に対する信認」をメインテーマに、安値是正の動きを本格化できるのかが試される分岐点に差し掛かっている。

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