原油価格は半年後には上がると思う

 NY原油価格は昨年6月28日の107.73ドルから今年1月29日の43.58ドルまで、約6割下落した。だからというわけではないが、原油価格は反発すると思う。ただし、その時期は今年の秋口にかけてという約半年のタームである。理由は需給要因と市場内部要因の2つである。

 まず需給要因であるが、原油価格が下落したのは米国における原油生産量が急激に増加し、世界一の原油輸入量が大幅に減少したにもかかわらず、OPEC諸国は減産どころかリビアやイラクの復興により増産していたためである。リビアはその後内乱により原油生産量は再び減少に転じているが、1月のOPECの生産量は日量3015万バレルで前年同月比約30万バレル、+1.0%増、過去5年平均比でも+0.2%増である。原油価格が下落し始めた昨年9月以来でみても、毎月前年同月比はプラスとなっている。一方米国も、最新の3月6日時点の原油生産量は日量936万バレルで、1973年以来の多い数量となっている。前週に比べても+4万2千バレル増、前年比では+118万バレル増、過去5年平均比では+214万バレル増である。1月のサウジアラビアの生産量が日量968万バレルなので、米国の原油生産量はほとんど世界一になりつつある。さらに、こうした原油生産の増加により米国の原油在庫は、11億3983万バレルとEIA(米エネルギー情報局)が統計を取り始めて以来最も多い在庫水準となっており、しかも、1月9日以来9週間連続の増加を記録している。こうした背景からどうして原油価格が上昇すると思うのかというと、

① 米国における石油稼働リグ数が2月末時点で1,424基とピークだった昨年10月の2,214基から▲790基、▲36%減少している。ところが2008年から2009年にかけて原油価格が147ドルから35ドルに下落した時には、2008年8月の2,487基から09年5月の1,001基まで▲1,486基減少し、▲60%少なくなっている。09年5月というのは、価格が09年1月に底を打ってから4ヶ月後である。つまり、今回の下げ局面では石油リグ数が減少するのはまだこれからで、あと半分程度が今後閉鎖されるかもしれない。今年の価格の底を2月とすれば、6月頃が石油リグ数が最低点を迎える頃となる。これまでは効率の悪い古いリグを閉鎖してきたが、これからは採算が取れないリグを閉鎖することになるだろう。ということは、米国の石油生産量はこれから急激に減少し始めるものと予想される。

② 一方、3月第一週の全米平均のレギュラーガソリン価格は、2.487ドル/ガロンであるが、前年同期は3.512ドルであり、約3割下落している。サウジアラビアのヌアイミ石油相は、原油価格が下落したことにより、世界の原油需要は増加すると強気の発言をしているが、実際に価格が安くなればガソリン等の世界の石油需要は今までより多くなるだろう。

③ したがって、供給が減少し、需要が増加すれば、これまでの供給過剰状態は解消される。供給不足までにはならないとしても、石油需給が引きしまって、一方的に増え続けていた原油在庫が急速に減少してくれば、市場は強気に反応するものと思われる。

④ 最後に、先週金曜日発表された3月10日までの週のファンドの建玉を見てみると、NY原油に対するファンドのネット買い残は29万4,609枚となっており、3月10日の週は4週連続で小幅減少(▲637枚)となっている。問題は売り残であり、10日は21万5,584枚と前週より+1,683万枚まだ増加している点である。

この売り残は少なくとも2005年以降で最大の空売り残である。つまり、ファンドは価格が下げ始めてからせっせと売り浴びせているが、一向に買い戻す気配がない。ということは、いずれ買い戻さざるを得ないものと思われる。

米国の原油生産増、在庫増、売り残増、いずれも過去を振り返れば原油を買う材料にはならないが、それがピークに接近していると解釈すれば、今が買いどきであろう。少々下げることもあるかもしれないので、目一杯投資することはおすすめできないが、余裕をもって少量ずつ買いを入れる時期ではなかろうか?ただし、目標は60ドルとか70ドルであり、100ドルを超えて上がるほど需給が締まることはないと思う。

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