天然ゴム相場、試される投機安の是正

東京ゴム先物相場は、期先ベースで1月5日の258.70円をボトムに、足元では300円台まで値位置を切り上げる展開になっている。約半月で50円幅の急騰相場が実現した形だが、その最大の要因はタイ政府が天然ゴム市場に介入する可能性を示唆していることだ。

1月12日にはWongsamtタイ農業相が100億バーツ(約245億円)規模の介入を行う意向を示していたが、17日にはNa-Ranong副首相・商業相も170億バーツ規模の介入を行う方針を確認している。

当初は20万トン程度を農家・市中から買い上げる方針となっていたが、現行の価格水準を考慮すれば、15万トン程度に留まる可能性が高そうだ。ただ、未燻製シート(USS)の現物相場を最低でも120バーツ/kgまで引き上げる方針が明確に示される中、天然ゴム相場は産地主導で地合を引き締め易くなっている。

あくまでも投機的安値を続ける市場にショックを与えるのが目的のため、こうした政府による買い上げ措置の効果は一時的なものに過ぎない。相場環境が正常化すれば、再び市中で売却されるため、マクロな需給見通しには殆ど影響がないとも言える。ただ、行き過ぎた下げ相場が疑問視され始めた現在のマーケットにおいては、その効果は大きい。

タイ中央ゴム市場のUSS現物相場は23日時点で既に107.50バーツまで上昇しているが、介入で120バーツを下値に切り上げることができれば、東京ゴムは350円の節目を突破することも十分に可能である。

昨年9月以降は需給動向を無視して投機的な安値形成の動きが強くなっていただけに、生産国の動きによって相場底入れに向けての条件整備が進んでいる。先物市場主導の投機的な下げ相場に、生産国が「ノー」の意思表示を示し始めているのだ。投機家の論理に基づく下げ相場が、実需の論理に基づき安値是正に向かうのかが試されるステージになる。現在のゴム相場に関しては、上昇していると言うよりも、行き過ぎた安値是正との視点が必要と考えている。

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