乱高下の中、石油市場は逆張りで

 海外原油は波乱の展開を演じている。急伸のキッカケは全米鉄鋼労組(USW)に加入する製油所の一部労働者によるストライキが影響し、石油製品の供給不安が高まり、ガソリンがリードしての急反発をみせ、WTI期近3月限は43.58ドルの安値から3営業日後には54.24ドルまで急騰。しかし、米国の原油や石油在庫の極めて高い水準に変わりなく、強引に買い進まれた反動安を強いられ、高値示現の翌日には47.36ドルまで急落している。一日足らずで6.88ドルも急落したが、その後は売られ過ぎを警戒して50ドル台回復みせている。ちょっとした材料に過剰反応する相場つきはしばらく続くとの見方が支配的である。
 CMEは急騰をリードしたNYガソリンの証拠金を5170ドルから5720ドル、実に10.6%の引き上げを明らかにしており、波乱の鎮静化に動いており、この措置が功を奏すかどうか注目される。
 リビアの製油所が再び武装勢力に攻撃されたこと、ナイジェリアからの原油積み出し船が海賊に襲われたこと、WTIの認証在庫の減少観測もあり、急反発したが、いずれも確固たる支援材料とはいえない。認証在庫は昨年12月から絶えず急増しており、極めて高い水準であるため、若干の減少となっても影響は限定的とみるべきである。
 現在の米国の原油在庫は4億バレルを越えており、米EIAによる統計開始の1982年8月以降、最も高い在庫水準をさらに更新しているが、ストライキの影響で、次回発表はさらに増加するとみられている。石油需要の低迷に変わりなく、ガソリン在庫もこの時期としては1990年以降のデータを参考にすれば、最も高い水準にある。1月のOPECの産油量は増加するなど、数字でみるファンダメンタルズは引き続き弱気な需給バランスは否めず、買い戻しに急伸しても長続きしないと考えられる。
 強気の材料に反応する状況になりつつあるのも確かで、結果的に上下波乱の展開はまだ続きそうである。

WTI20.50

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