また、イランのアフマディネジャド大統領は「イスラエルを世界地図から抹殺する」と公言しているだけに、イスラエルからイランへの先制攻撃の可能性も否定できない。イスラエルは、1981年にイラクの核施設に対し、また2007年にはシリアが核開発を行っている可能性があるとして、それぞれ空爆を実行した歴史がある。「アラブの春」以降、中東・北アフリカ地区ではイスラム勢力が躍進している中、イスラエルが領空侵犯をして空爆を実施した場合、中東イスラム諸国との全面戦争につながる恐れもある。現段階では、このシナリオの確率は低いものの、この数年のうちでは、偶発的な衝突リスクが最も高まっていることは否定できない。
米国サイドから最も政治的リスクが高まるのは、大統領選挙の3カ月前と言われる。この時期は、ハリケーンシーズンと重なる上に、今年はロンドンオリンピック(7月27日~8月12日)に対するテロ懸念も高まる。過去のNY原油の季節傾向を見ても、年初から夏にかけて下値切り上げパターンが確認できる。2012年の原油市場は、世界経済の減速懸念から需要面での後押しはないものの、パニック的な株価の世界連鎖安などがなければ、夏場にかけて供給不安が下値を支えると言う構図が予想されるだろう。
原油に変わる代替エネルギーとして「シェールガス革命」が、一部でもてはやされているが、環境破壊や環境汚染の問題も指摘されており、2012年においては大きな下げ要因にはなり難いのではないか。










