エルニーニョ発生の仕組み

 昨年秋以降南米チリ沖の海面水温は平年より少し高くなっている。これは以下のURLの米国海洋気象庁による世界の界面水温図で見て取れる。
http://www.ospo.noaa.gov/data/sst/anomaly/2015/anomnight.1.5.2015.gif
 エルニーニョ現象は平均して4年に一度現れるもので、通常は、ペルーとエクアドルの沖合の海域(赤道から南緯10度、西経80度~90度で囲まれた海域)の海面水温は、年2回最高と最低のピークが半年周期で変化している。南半球の冬季(7月~9月)にあたる時期が、深さ100メートルくらいのところから栄養に富んだ水が湧き上がってくる湧昇(ゆうしょう)という現象が顕著になり、海面水温は低くなる。逆に南半球の夏季(11月~2月)頃には湧昇が弱くなり海面での水温は高くなる。3月の海面水温が最も高くなり、9月頃最も低くなる。南米の降水量は、気温・水温の高い1月から4月に多く、6月から11月までは少ない。
 湧昇の盛んな時期はペルー沖ではアンチョビ(かたくちいわし)を始めとする漁業が盛んになる。この季節になるとクリスマスにちなんで水温が高くなることをエルニーニョ(The Child:子供たち)と呼んでいる。数年に一度、水温が低くなる時期になっても少しも下がらず、漁に出ても漁獲が無い毎日が続くことがあった。調査したところ、海面水温が平年に比べて2~5度高いことがわかってきた。
 インドの気象局長官だったウォーカーは、1920年代インドネシア付近からインド洋にかけての気圧が高い時には東部太平洋の気圧は低いというシーソーの関係にあることを発見し、これを南方振動と名づけた。40年後、この南方振動がエルニーニョと関係することが発見された。
 太平洋の赤道域の海面水温は西で高く、東で低くなっている。このような分布の時大気は西で上昇し、東で下降するため、西が低気圧となり雨が振り、東は高気圧となって晴れ上がる。風は東から西に吹き、貿易風と呼ばれる。風に乗って赤道付近の海水が東から西に移動するので、湧昇が起きる。
 エルニーニョが発生するのは、東から西に吹く貿易風の風が弱まる為と考えられる。そうすると湧昇の勢いが弱まり、海面の水温は太陽に暖められて暖かくなる。なぜ貿易風が弱まるかといえば、東西の海面水温の温度差が小さくなるためだと考えられている。南方振動の差が小さくなると温度差は小さくなる。時には東から西に吹く風が逆転することもあるという。(1982年~3年、97年~4年)
 まとめると、海面水温の東と西の差が小さい⇒ 貿易風が弱まる⇒ 海洋表層の暖水の東から西への移動⇒ 東部太平洋赤道海域の海面水温が平年より高くなる(エルニーニョ現象)ということになる。昨年12月10日の気象庁エルニーニョ監視速報では、現在エルニーニョが発生している述べている。

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