「2015年、金の価値と価格の乖離は終焉へ」

2014年後半の相場環境を振り返ると、米国の金利引き上げ時期を巡る思惑が市場を動かしたと言えるだろう。米国経済が順調に回復しているため、FRB(米連邦準備制度理事会)は、2014年10月に量的金融緩和(QE3)を終了し、危機対応策として行ってきた国債等の資産購入を停止した。市場は2015年には利上げに踏み切ると見て、投資資金はドルを買う動きを強めた。2014年12月17日、FOMC(連邦公開市場委員会)は、利上げまでの「相当な期間」を削除する一方、金融政策の正常化に向けては、「辛抱強く待てる」と新たな文言を加えた。一方で、「ゼロ金利政策を相当期間維持することが適切になるだろう」と前回までの文言も残し、実質的には変化がないことを強調した。政策変更は「データ次第」と今後の展開に含みを持たせた。議長会見では「今後数回のFOMCで利上げの決定はない」と発言し、性急な利上げ観測を牽制した。為替市場は、“タカ派”と受け止めドル買いが強まり、株式市場では“ハト派”的だったとして買い意欲を強めた。市場は、それぞれの立場において希望的観測を強めたと言える。この流れを引き継いで2015年も株高、ドル高の流れは継続すると思われる。これに対し、金相場は株価上昇による安全資産としての魅力を失い、ドル上昇によって割高感が強まり、インフレ懸念の低下からインフレヘッジとしての役割も弱まって、下落基調から脱し切れていない。しかし、QE3終了や12月のFOMCを受けて、利上げは織り込まれてきたようで、弱材料への耐性が強まってきたようだ。その耐性強化の背景には、市場が金の価値と価格の乖離に対し、徐々に意識し始めたからと推測する。マーケットは日々の価格(price)を決める“場”ではあるが、それは、価値(value)を測る絶対的な尺度ではない。2014年、ドル相場の上昇は金価格を押し下げたが、それにより金の価値が毀損したわけではない。

yen

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