タイ政府の天然ゴム買い出動 根本的な市況回復につながらない

ゴムは内外でタイ政府のゴム買い上げ実施を好感して反発した。具体的には上海ゴム中心限月(2015年5月限)が12月10日のトン当たり1万1,580元(国内換算22万1,409円)から17日の1万2,735元(同24万3,493円)まで1,155元高(同2万2,084円高)、つまり、キロ当たりで安値から22円高を演じている。

 また、シンガポールRSS3号期近は12月9日のキロ当たり148セントから18日の165セントまで17セント上昇(同20円高)、東京ゴム先限も12月11日の188円から18日の206円30銭まで18円強上昇している。

 このように、3市場揃って安値から反発した理由は、タイ政府が市場で買い介入、すでに、1万トン以上の天然ゴムを買い上げていると伝えられたからだ。

 タイ政府の市況対策をまとめると、

① 予算総額200億バーツ(726億円)のうち、60億バーツ(218億円)で、ざっと10万トンのゴムを買い上げる。

② USSベースキロ当たりで60バーツと市場価格よりも高値で買い上げ、1日当たりの買い上げ量を3,000トン前後とする。

③ 政府と民間企業7社で、それぞれ2億1,000万バーツ(7億6,200万円)、双方で4億2,000万バーツ(15億2,400万円)の資金で、タイ農業先物取引所でゴム先物の価格維持に取り組む。

以上が主旨だが、60億バーツの資金でざっと10万トンの買い上げでは、1ヵ月もすれば資金が底を尽くわけで、来年1月央には更に資金を投入しなければならない。仮に、10万トンの買い上げで原料価格が60バーツを回復しても、農民は80バーツへの回復を強く望んでいるだけに、政府は追加資金で買い上げを続ける可能性がある。

 200億バーツの資金をすべて買い上げ資金に使うとすれば、ざっと30万トン前後のゴムを市場から買い上げることも可能だが、それでも、2014年のタイの天然ゴム生産量414万2,000トン(推定)の7.2%にしかならない。

 もう一つ、懸念されるのはタイ政府が20万トン、あるいは30万トンのゴムを市場から買い上げても、その効果が相場に出にくくなると、今度は、世界の天然ゴムの供給過剰を背景に、タイ政府の買い上げに対する限界と同時に、先安不安が市場に広がる恐れも出かねない。

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