買い方不在の原油相場、年末まで下げ圧力続く

 WTIは11日、ついに60ドルを下回り、一気に59ドル割れも演じている。世界的な石油の供給過剰の解消のメドが立たない中、年末を控えたパニック的な売りを巻き込んでいる。現在、市場で大きな役割を果たしているインデックスファンドの資金の組み換えは例年、1月中旬に実施されるため、この急落でも買いに動く気配は全くみられない。ヘッジファンドも極めて消極的なスタンスで、下げ賛成のスタンスをみせている。
 この弱気なスタンスは、年明けに米議会での法案提出を警戒してのことでもある。週明けに米共和党から原油輸出解禁の法案が提出され、否決されている。ただし、年明け以降に再提出の動きは確実で、世界的な原油の供給過剰を増幅する状況が控えている。トランスカナダのパイプラインの法案も共和党優勢のため、可決されることになるとみられ、カナダからの原油輸出も拡大すると考えられる。昨年は、NY金が年末に安値を示現したが、ファンドの消極的なスタンスが影響しているためで、原油市場でも年内一杯、買い方不在の状況が当面続くと考えれば、日柄を考慮しても、WTIで50ドル近くまでの急落は避けられないとみる。
 この原油価格急落の影響で、産油国の財政が厳しいとの声も多く聞かれる。確かに楽観できる状況ではないが、各国は軒並み通貨安に見舞われており、通貨安の恩恵で原油下落を相殺する面もある。日本は円安のため、原油急落の実感が乏しいのと同じである。ロシアのルーブルは11日、対ドルで過去最安値を更新している。

NY原油100月移動

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