ゴム市場はタイ政府の在庫売却など上げ材料が目立つ

 円安が上昇要因となっているため東京ゴム相場は確りな値動きとなっているものの、ドル建てのシンガポールRSS相場は170セントまでの戻りが限界で、逆に11月中は下げ歩調となっただけでなく12月1日の急落で一時151.0セントまで後退して約1カ月半ぶりの安値をつけた。10月末の直近高値174.0セントからは13%の下落である。

 陽転の兆しが出始めていたゴム相場が暗転している大きな理由の一つとして、石油安、資源商品安が指摘できる。中でも原油の下げがこのところ急となっており、12月1日時点で瞬間的に63.72ドルまで下値を追う展開で、今年6月からの5カ月間は下落の一途となっている。この間の下げ幅は最大で44.01ドル、下落率は40.8%にも及んでいる。一方、ロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月物は12月1日までの下げで6315ドルまで後退し、今年3月の安値を抜き2010年6月以来の安値をつけた。

 原油安、資源商品安は、ゴム市場に対して心理的な連想売りを誘うという影響だけでなく、コスト・プッシュ・インフレの後退とともに売り要因となる。また原油のケースでは合成ゴムの代替という部分において需要が減退することにつながり、両者の関連性は高い。

 原油安の背景には北米におけるシェールオイルの増産がある。アメリカの国土のほぼ全域に広がるシェール層から抽出される新しいエネルギー開発は「シェール革命」とまで呼ばれ、天然ガスを含むその埋蔵量は北米のエネルギー消費の100年分に相当するとまで言われている。

 しかしWTI原油相場が急落して70ドルを割り込む水準に位置してきたため、北米のシェールオイル会社の一部でコスト割れに直面していると伝えられている。シティグループが試算するシェールオイルの採掘コストは1バレル70~90ドル前後としているが、このことからすると今の原油価格の水準では複数の企業でコスト割れしている可能性があると推察できる。仮に、原油価格がシェールオイルの採掘会社のコスト割れで増産に歯止めがかかるようになってくるのであれば、今の原油価格の水準からの下げ余地は限られそうだ。

 今後、原油相場の下落に歯止めがかかるのであれば、ゴム市場に対する原油安からのマイナス影響も限定的となる可能性がある。

zu1

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事