JMのプラチナレポートのGFMSとの対比

 Jhonson Mattey社のプラチナ需給予測は先週発表されたが、これと10月に公表されているGFMSのプラチナ需給を対比すると以下となる。なお、先週金曜日に弊社が発行した『週間展望』に書いたプラチナの記事は数字と内容が少し間違っていたのでお詫び申し上げる。こちらをご覧いただきたい。詳細の表は本日発行した週刊ゴールドに書いてある。
 
 結論から言えば、JMはGFMSよりも厳しい需給を予測している。GFMS社が2014年の鉱山生産は144トンと見ているのに対し、JMの鉱山生産見通しは159トンと多く、スクラップを合わせた供給はGFMSの193トンに対しJMは230トンと多く見積もっている。しかし、需要はGFMSの222トンに対しJMは265トンと多く、需要から供給を差し引くと、GFMSは2014年▲29トンの供給不足としているが、JMは▲35トンの供給不足と見ている。
 先週間違えてしまったのは、JMは2014年の需要は2013年の需要より▲7トン少なく見積もっているが、それでもGFMSの見積もりよりも多いという点であった。GFMSは前年より+15トン需要が増加すると見ている。JMは供給が減ることに合わせてレーショニングのように需要も減ると見ているので、GFMSのよりも弱気なのかと勘違いしてしまった。
 JMは投資需要が▲18トン減少すると見ているが、今年前半のストライキ中にETFは売れており、11月27日時点で74トンの残高がありそれほど減ってはいない。いずれにせよ供給量の15%もの需給アンバランスが生じており、在庫から調達されるとしても在庫(仮にあるとして)はほとんど無くなると思われる。ちなみに2015年はGFMSは引き続き▲20トンの供給不足が続くとしている。
 また12月から燃料電池車が販売されるが、これには一台当たり30~50グラムのプラチナが使われると日本経済新聞には書いてあり、それが本当なら、これまでの10倍以上の(これまでは排気量1000cc当たり2グラムの自動車触媒用プラチナ需要と言われている)プラチナ需要が出てくることになる。
 まだ次世代自動車がハイブリッド車なのか、クリーンディーゼル車、電気自動車、燃料電池車なのかはわからないが、プラチナ触媒需要が減少することは今のところ中国やインドの公害問題絡みても考えられない。
 商品の需要は経済指標同様、厳密に調査することはできなく、需要を公表する企業の恣意的な思惑が入ることは十分にある。JMが鉱山会社寄りではなく、自動車メーカー寄りにスタンスを変えているなら、プラチナ価格を抑える方向でレポートは描かれる。そうした恣意性を排除しても、プラチナ需給はタイトであることに変わりは無いだろう。金価格と連動して動いている現在のプラチナ価格は市場機能を果たしていないように思うのは私だけであろうか。米国ではプラチナとパラジウム価格の公表値を巡って訴訟が発生している。

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