OPEC総会、注目すべきは生産調整国の権限委譲劇

11月27日に石油輸出国機構(OPEC)総会が開催されるが、開催地のウィーンに到着したサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は「既に合意に達している」と述べると同時に、「市場は自ら安定するだろう(market stabilize itself)」との言葉で、減産対応の見送りを強く示唆した。

世界経済の急激な減速が石油需要の下振れを招く一方、シェールオイルなどタイトオイルの増産傾向が続く中、石油需給バランスの均衡化を促すためには、何らかの減産対応が求められていることは間違いない。従来は、サウジアラビアがスウィング・プロデューサーとしてその役割を担ってきたが、もはや市場シェア低下を看過できない状況となる中、今回の「itself(自ら)」の文言に象徴されるように、市場の需給調整機能にスウィング・プロデューサーの役割を委譲する動きが強まり始めている。

今回のOPEC総会がその委譲劇のクライマックスとなるのかは不透明であり、サプライズ的な減産対応が行われる可能性も残されている。だが、少なくともサウジが本格的な生産調整を望んでいないのであれば、主にタイトオイル分野で「原油安→減産」を促す必要性が高い。そして、従来は減産対応を強く訴えていたイランも、サウジと石油市場について同一の見解に至ったことを明らかにしている。

ただ、北米シェールオイルは未だ増産傾向にブレーキが掛かっておらず、石油会社の12月産油計画も前月比でプラスとなっている。今後も、どこまでの原油安に耐えることができるのか、伝統的な産油国とタイトオイル生産国との間で、チキンレースが展開されることになる。そして、その恩恵を受けるのは消費国であり、急激な円安環境の中でも日本はエネルギー価格の高騰に苦しむ必要性が低くなっている。一方、脱デフレを志向する日本銀行にとっては、「金融緩和→ディスインフレ」の波及経路がうまく機能せず、今後も難しい政策運営を迫られることになる。

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