現物市場の地合に注目すべき金相場

ドル建て金相場は、1オンス=1,200ドルの節目を若干下回る水準で、膠着気味の相場展開になっている。11月30日にスイスで中央銀行に準備資産の20%以上の金保有を義務付ける国民投票が控えている影響が大きいとみられるが、現物市場からのサポートの強さにも注目しておく必要があるだろう。

上海黄金交易所では、11月19日に売買高が前日の34.51トンから15.89トンまで急減したことで、価格低下に刺激を受けた需要拡大圧力は一服した可能性が認識されていた。しかし、その後は4営業日で20トンを越えており、予想以上の底固さを見せていることが、金価格のサポート要因になっている。上海金価格に対して加算されるプレミアムも、先週は一時10ドルを割り込んでいたのが、今週は15ドル前後まで拡大しており、現物需給に一定程度の引き締め圧力が働いていることを窺わせる状況になっている。

ロンドン市場では、リースレートの上昇、フォワードレートの低下に歯止めが掛からず、金現物の調達が困難になっていることが示されている。1ヶ月物のリースレートの場合だと、10月末時点では0.1809%だったのが、直近の25日時点では0.4510%まで急伸している。この水準は、リーマン・ショック直後の金融市場がパニック化したことで、金に対する退避需要が急増した2008年後半以来の高値である。フォワードレートも-0.2975%とマイナス幅を拡大しており、この数値を見る限りは、投機売りが躊躇されるのは当然と言わざるを得ない。

足元の東京金市場ではドル建て金相場のボラティリティ低下を受けて、為替相場の影響力が増している。ただ、現物需給の逼迫状態がピークアウトすれば、円建て金価格に対しても戻り売り圧力が強まろう。1ドル=120円の円安を想定した場合、ドル建て金相場が1,150ドルで1グラム=4,435円、1,125ドルで4,340円、1,100ドルで4,245円といった価格水準がターゲットになる。

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