ゴム市場「産地のワイルドカードと上海ゴム」

 先週20~21日に開催された天然ゴム主生産国による3カ国協議では、天然ゴムの輸出削減策が合意されました。また、需要を上回る供給を行わないために、生産国で供給を制限することも決定しました。更に、設定された目標以上に農園面積を増加させないことも決定しました。今回の3カ国協議で注目されていた輸出削減策については、今後の話し合いにより実施時期と規模を決定することとなりました。これにより、「輸出削減策の実施」というワイルドカードを主生産国が得たことになります。2012年の輸出削減策の決定や、2013年の輸出削減策の6ヶ月延長決定などにより、天然ゴム価格が一時的に大きく上昇することがありましたが、その後、輸出削減策が仇となってマーケットを圧迫したこともありました。輸出削減策とは、政府が農家から天然ゴム現物を買い取って政府備蓄在庫を積み上げることで輸出量を削減させるというものです。当然、政府備蓄在庫が増加すれば、「いずれ政府備蓄在庫が放出される」ということが天然ゴム市場を圧迫することとなります。しかし、今回の3カ国協議では、輸出削減策に合意したが、実施時期と規模を今後の話し合いで決めるとしたことで、「輸出削減策」というワイルドカードを今すぐ使用するより、ワイルドカードを手元に置くことでその有効性を長期間保とうとしているのではないでしょうか。そして今回の3カ国協議では「需要を上回る供給を行わないために、生産国で供給を制限する」としたことが最も注目されることかもしれません。国際ゴム研究会の最新の発表では、今年の世界需給は29万2000トンの供給過剰見通しであり、来年は4万3000トンの供給過剰見通しと発表しております。年間生産量が全世界で1200万トン程度であることから、すでに需給状態はほぼ均等状態に近い水準のようです。それでも主生産地が需要を上回る供給を行わない事で合意しており、いつ輸出削減策を実施されるかわからないという環境では、天然ゴム市場の下値は浅いと見るべきかもしれません。

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