マクロファンドの撤退が加速する金ETF

最大の金上場投資信託(ETF)である「SPDR GOLD SHARES」からの資金流出傾向に歯止めが掛からない状況になっている。月間ベースでは8月(-6.84トン)、9月(-25.14トン)、10月(-28.66トン)と3ヶ月連続で残高を縮小しているが、11月も7日時点で早くも14.05トンの売却超過となっている。金価格動向にほぼ関係なく売り込まれており、今年上期に一服していたマクロ系ファンドの売りが再燃していることが確認できる。

急激な価格低下を受けてロンドンの金フォワード・レート(GOFO)は急低下しているが、今年下期入りしてからの累計ではこの「SPDR」だけで63.55トンが売却されており(上期は7.52トンの売却)、現物需給の実質的な緩和圧力として機能することになる。アジア地区の現物需要はここ数年との比較では低迷しているとは言っても、一定の規模を確保している。価格低下の刺激が全く存在しない訳ではない。しかし、上海金に対するプレミアムは一向に上昇せず、現物市場主導のフロアープライス形成が先送りされている一因として、ETFからの現物供給圧力に注目したい。

既に量的緩和第1弾(QE1)の導入が決定される前の水準も下回っており、未だ含み益が計上されている2010年以前に構築されたポジションも、金価格の下げに先行して解消されていることが窺える。株高、金利上昇、ドル高の流れが続く中、投資家が金価格に対して求める期待リターンの水準はどうしても高くなり、「値幅」という短期投機・投資目的ではなく「分散効果」等を狙った資産防衛目的という伝統的な需要ラインのベースを探る局面が続くことになる。

米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しを巡る思惑から金価格はボラタイルな展開を強いられているが、金ETFが一貫して売却対象になっていることは、金価格に対するマーケットの視線の厳しさを象徴する動きと評価できよう。

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