好スタートを切ったNY金だが、難題山積

 2012年のNY金は好スタートを切っている。換金売り攻勢にさらされ、昨年12月29日には取引中心限月である期近2月限は1523.9ドルまで急落したが、年末の30日から切り返しをみせ、5日まで4営業日連続で上伸し、5日には1626.8ドルの高値を示現し、安値から100ドル以上の切り返しも果たしている。
 11年連続でNY金は前年末の終値を上回ることになり、2012年に対する期待も強まっていた。さらに昨年末にモルガンスタンレーが2012年のNY金の平均価格予想として2200ドルを指摘したことで、市場全体に買い安心感も広がっている。
 ところで、NY金は昨年、金融不安を背景に安全資産として買い進まれる局面は多々みられたものの、地政学的リスクを映したリスク買いの局面はみられなかった。それがここにきてその兆しをみせている。イランは昨年12月24日から1月2日までホルムズ海峡周辺で軍事演習を実施しており、欧米の経済制裁に実力行使する姿勢を示したといえる。実際、イランは欧米による追加経済制裁次第ではホルムズ海峡の閉鎖を示唆している。これに対して米国はすでに金融制裁を決定し、イランからの原油輸入も禁止している。ただ、米国はイランからの原油輸入を実施していないため、EUや日本に同調するように働きかけている。EUは昨年12月上旬の外相会合でイラン産原油の輸入禁止を協議したが、実質先送りしていた。今月30日の外相会合では禁輸を決定するとみられている。こうした状況が金市場での地政学的リスクの買いをもたらしている。

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