原油相場を理解するキーワード=PRICE WAR

「Price war(価格戦争)」 最近の原油市場で一種の流行と化したワードである。

原油需給バランスは伝統的に、「スウィング・プロデューサー」と称されるサウジアラビアの生産調整によって保たれてきた。過度の原油供給不足・過剰が生じた際には、サウジアラビアがその生産量を調整することで、原油価格の急騰・急落を少なくとも需給面からは阻止する動きを見せていた。

現に、今年も8月にサウジアラビアは日量40万バレル規模の減産対応に踏み切り、リビアの市場復帰に伴う原油需給緩和化の流れにブレーキを掛けていた。このため、マーケットではサウジアラビアの生産調整能力に対して絶対的とも言える信頼感があり、足元の需要環境・見通し悪化に伴う需給緩和圧力にも対応するだろうとの期待感が強かった。

しかし、9月以降のサウジアラビアの行動は、シェールとの共存というよりも、価格競争を仕掛けて増産に歯止めを掛ける方向に動いており、この突然の産油政策変更が市場をパニック状態に陥らせている。アジア市場での価格競争であれば一応の理解ができたが、12月は米市場でもシェールオイルに価格競争を挑む格好になっており、サウジアラビア産原油とシェールオイルがどこまでの原油安に対応できるのかを打診するチキンレースと化している。

純粋な生産コスト論で言えばサウジが明らかに優位だが、サウジには経済合理性の他に財政均衡に必要なコストラインも存在しており、接戦状態となっている。現段階ではともに目立った減産圧力は確認できず、例えるならば隣接する安売りスーパーが安値競争を行っているような状況になっている。どちらかが撤退するか、暗黙の妥協点を見出すまでは、安売り競争は続くことになる。

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