サウジアラムコの挑戦が押し下げる原油価格

サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは12月積みの原油出荷価格について、米国向けを引き下げる一方、アジアと欧州向けを引き上げることを決定した。11月下旬の国際原油相場は下げ一服となっていたが、サウジアラビアとしては米国市場におけるシェア維持を優先する強い意思を示した格好であり、原油相場は「サウジの減産はない」との見方から年初来安値を割り込む展開になっている。

11月とは違って、米国と非米国で販売戦略を変えてきた形であり、サウジアラビアがシェールオイルへの対抗姿勢を鮮明にし始めているのは明らかである。従来、サウジアラビアはシェール革命について、(少なくとも公式には)国際原油需給を安定化させると歓迎の意向を示していたが、もはや無視できない規模に到達したとの評価があるのだろう。

しかも、意図的に「価格戦争」を仕掛けて、シェールオイルの増産にブレーキを掛ける戦略が存在する可能性が、市場を疑心暗鬼に陥らせている。石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事務局長は「価格戦争」は行っていないとしているが、その意図の有無は保留するとしても、サウジアラビアが米国産シェールオイルとの対決姿勢を強めていることは間違いない。

足元、開発プロジェクトへの影響はエネルギー各社から報告されているものの、実際の産油量や11月の採掘計画には目立った変化は生じていない。断続的な原油価格の値下がりによって、シェールオイルの実力が問われる局面を迎えている。ここでシェール革命の勢いが鈍化すれば、原油相場は当面のフロアープライスを発見することが可能になる。需要見通しが大幅に悪化している以上、シェールオイルに生産調整を迫る価格水準が打診されている。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事