7~9月期米GDPから考えるドル建て金市況

7~9月期の米国内総生産(GDP)速報値が発表されたが、前期比年率+3.5%と良好なパフォーマンスをたたき出した。今年は、寒波の影響を受けた1~3月期に-2.1%と2011年1~3月期以来のマイナス成長に陥ったが、4~6月期に+4.6%まで回復し、7~9月期も昨年10~12月と同レベルの成長率を達成した形になっている。即ち、量的緩和の縮小に着手する前段階とほぼ変わらない成長率を維持している訳だ。

米経済の7割をカバーする個人投資は+1.8%とやや伸び悩んだが、自動車などの耐久財支出が伸びており、消費者マインドは総じて良好な状態にあることが窺える。企業設備投資も+5.5%と堅調な伸びを示しており、少なくとも需要面の健全さは確認できる状況にある。

あくまでも過去のデータになるが、これは米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を終了させ、利上げ着手の時期を探るステージに向かっていることを正当化するものと評価できる。これから有事対応としての金融緩和は徐々に正常化に向けての歩みを見せることになるが、今回のGDP統計は金融緩和という補助器具を段階的に減らしていっても、米経済が自立的な成長路線を継続できる可能性を高めている。

こうした中、金融緩和という有事対応を背景に買われてきた貴金属市況に逆風が強まるのは当然の帰結であり、10月30日のCOMEX金先物相場は改めて1オンス=1,200ドルの節目を割り込んでいる。強気派にとっては、生産コスト論でダウントレンドにブレーキを掛けたい所だろうが、原油安や世界的なデフレ圧力、産金国通貨安などがコストラインを想定されていたよりも押し下げていることは、産金各社の7~9月期決算からも確認されている。金価格急落を受けての目立った減産圧力も確認できず、金価格の底打ち論とは依然として距離を保っておくべきと考えている。

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