FOMCを受けて、金相場の見通しはどうなったのか?

10月28~29日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されたが、声明文は総じてタカ派に傾斜した内容と評価されよう。金融当局者の一部からは、世界経済見通しの悪化を受けて量的緩和(QE)の終了先送り論も提起されていたが、予定通りにQE終了が宣言され、ドル供給拡大の流れには一定の歯止めが掛けられることが決定した。今後も償還原本の再投資などで市場からドルの吸収が行われる訳ではないが、通貨価値毀損の流れが修正を迫られていることは、ドル相場にポジティブ、金相場にネガティブと評価できる。7月以降の急激なドル相場高・金相場安のトレンドが追認されたと言えよう。

焦点は今後の利上げスケジュールに移行することになるが、低金利政策を「相当な期間」維持するとの文言に修正はなく、マーケットに利上げ着手時期について言質を与えることは無かった。このため、来年1~3月期の利上げの可能性もあるとの見方から、15年中の利上げ見送り論まで浮上しており、利上げ予想時期のコンセンサス形成が困難な状況に変化は見られない。

確かなことは、この「相当な期間」の文言が削除される時期は、雇用とインフレを筆頭とした経済データに左右されることだけである。10月に発表された米指標は、世界経済環境悪化の中でも一定の底固さを示した形になっており、このまま米国の一人勝ちとも言える状況が続けば、ドル買い/金売りオペレーションの優位性は維持されることになる。良好な経済データの蓄積で、改めて米金利を押し上げていくことが可能かが問われる。

問題は、その一方で円の通貨価値が損なわれる展開が続いていることであり、インフレ誘導の行われている国の金価格は、相対的に下落余地が限定されることになる。1ドル=110円の為替レート環境で、円建て金価格が1グラム=4,000円台を割り込むには、ドル建て金価格で1オンス=1,130ドル台が要求されるというのが理論上の計算である。

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