ブラジル大統領選挙を経ての商品市況

ブラジルで10月26日に行われた大統領選決戦投票では現職のルセル大統領がネベス候補を僅差で破り、再選された。ルセフ大統領は26日の勝利演説で「大きな変化」を速やかに実行に移すことを約束したが、これによって市場の不評を買っている介入的な経済施策が是正される可能性は低いとの見方から、選挙結果判明後のブラジル金融市場は株安・通貨安で反応している。

商品市場の視点では、ブラジル通貨レアル相場に対する下落圧力が強くなっていることに注目したい。10月27日の取引で、レアル相場は対米ドルで2008年12月以来の安値を更新しているが、こうしたブラジル通貨安はブラジル産の資源輸出に対しては追い風になるためだ。実際に、砂糖やコーヒー相場は10月入りしてから調整色を強めているが、これは産地の降水量不足が緩和されているという天候要因の他に、為替レートの観点からブラジル産農産物の輸出拡大に対する警戒感を織り込んだ動きと評価されている。

当然にその影響は大豆やトウモロコシなどの穀物市場にも波及することになり、今後はドル建て米国産穀物の価格競争力低下に対する警戒が必要だろう。現に、9月には急激なドル高・ユーロ安を受けて、小麦市場では欧州産に米国産が販売競争で競り負ける場面が目立ち、それがシカゴ穀物相場の急落を招いた例もある。

収穫期が異なる南米産穀物を欧州産と同列で議論できず、現段階では米国産穀物に対する輸出減退までは確認できない。大豆市場などでは、逆に中国などからの引き合いが強まる中、端境期の需給ひっ迫に対する懸念さえ浮上している。ただ、改めて安値更新の動きを見せているレアル相場の動向次第では、ドル建て穀物やソフト相場に逆風が強まる可能性があることは認識しておくべきだろう。28日のブラジル金融市場では、ボベスパ指数の急反発と連動してレアル相場も反発したが、ボラティリティを増しているブラジル金融市場の動向から目が離せそうにない。

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