中国の金輸入統計を読み解く

香港調査統計局の発表によると、9月の香港経由の中国向け金純輸出量は61.7トンとなった。8月の25.6トンから急増し、今年4月以来の高水準に達している。9月の急激な価格低下が、国慶節(10月1~7日)前というカレンダー要因もあって中国国内の金需要を喚起したことが確認できる。

ただ、前年同月は109.4トンであり、この数値を以って中国の現物需要に過度の期待を持つべきではないだろう。1~9月通期でみても、前年同期の826.1トンを34.9%下回る538.1トンに留まっている。即ち、中国が海外から調達している金は、昨年の三分の二程度に留まっている。

昨年は月間純輸入量が100トンを越えたのが7ヶ月あったが、今年(9月時点)は2月の111.4トンの1ヶ月のみである。金市場で一種の神話化している「中国の現物需要」の影響力は、着実に小さくなっていることが明確に確認できる。

年間産出量が3,000トン前後の金需給の世界において、月間61.7トンという純輸入量の規模は決して小さいものではない。ただ、値上がり益を見込んだ投機的現物需要が縮小を迫られる中、純粋な実需ベースの市場規模へのダウンサイジングが求められている。

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